イイカゲン木工日誌 2009年9・10月

秋本番!さあ、皆さん木工遊びに励みましょう!

2009年11月の日記へ


10月26日
卓上手動扇風機


  相変わらずのヘンテコ木工ですねぇ・・(笑)

  これは夏の間に作るつもりだったのです。しかし、作りたい物が一杯で、色々脱線しているうちに、そろそろストーブが必要な季節になってしまいました(汗)。まあ、役に立つのかわからないお笑いおもちゃなので、ま、いいか

  一度回り始めると、後は指1本で軽く回ります。風も結構いい感じですよ。机の上に置いて暇つぶしに丁度良いのです。

  家族も呆れ顔「役に立つ物を作ってよ!!」と火に油を注いでしまったみたいです。でも役に立たない面白木工が何より楽しい!

のほほん
10月18日
割 ・ 箸


  久々に箸を作りました。割箸ではなく割・箸ですよ。

  今までにも何度か、箸を手づくりした事があるのです。しかし、どれも使っているうちに反ってしまい、長く使えた物は一つもありません。右は5〜6年程前に、山桜で作った箸ですが、まあ、見事に反っていますね

  木工のバイブル「手づくり木工事典」(No5、p6「割箸建築とニマ」秋岡芳夫氏・・・皆さん、もう一度本棚から出して読んで下さい。)を読んでいたら、「法隆寺の回廊の格子は真っ直ぐ、曲がったり反ったりしたのなんか一本もない。むかしむかし、1300年も前の建築なのに。」とあります。
  現在と異なり昔は、木をクサビなどで割って製材をしたので、曲がったり反ったりしないのです。対して、江戸時代の作になると、鋸による製材で狂い放題・・なのだそうです。

  しかし木を割って製材するなど、現在ではとても出来ません。でもでも・・箸ぐらいなら出来そう!と思い、再度箸つくりにチャレンジしました。

  唐木を使った、重く太い箸は好きではありません。でも、女性用の細い箸ではちょっと物足りない。重からず軽からず、太からず細からず・・で、ブラックウオルナットを使って作ってみました。広葉樹にしては軽く、そして気品のある材ですよね。

  手持ちのウオルナットで、できるだけ木目が真っ直ぐな材を選び出し、これをタガネで適当な大きなに割り、さらにその中から真っ直ぐな材を選び出しました。できるだけ割って木取りましたが、それだけでは無理なので、後は鉋で削って形を整えました。

  鉋は画像の様にひっくり返して、作業台に固定して、箸の形を整えて行きました。これは鰹節削りの方法ですね(笑)塗りは胡桃をつぶして塗りました。

  さて、こうして出来た割・箸ですが、使い心地はどうでしょう?そして毎日使って、洗って干して(ほとんど食器洗い機を使っています)という過酷な状況でも反らないのか?・・・それはまた報告しましょう。

  たかだか、箸を作るのに、能書きが多くなってしまいましたね。でも、これもとっても楽しい簡単木工です。

のほほん
 
左の材は木目が真っ直ぐです。一般には、木目が斜交していたり、曲がっていたりする物がほとんどです。
できるだけタガネを使って割り、その中からより真っ直ぐな材を選びました。
 
鉋をひっくり返して固定して削る方がし易かったです。ついでに箸置きも作りました。足の裏なんて変かなぁ

長さは24cmと22cmです。


10月10日
ウッドクロウショベルカー


  グワッ・ガガガ・グィーン・ゴットン・・・

  ショベルカーのアームが動いて大きなツメがグワッと物を掴み、ガガガと持ち上げて、グィーンと腕を回して、ゴットンと別の所に置く・・これは面白いゾォ〜

  動くおもちゃは楽しいですよね。子どもが喜ぶ・・・いや、大人も遊びたくなります。特に、働く車はロマンありますねぇ・・何歳になってもワクワクします。ロボットを操作している気分なのでしょうか(笑)

  このモノをつかむ大きなツメをアイアンクロウと言うのだそうです。これは超個性的・ファンタジックなおもちゃを作られているヤマドリさんから教えて頂きました。でも鉄ではないのでウッドクロウにしましたが、ウッドでは迫力ないかな(笑)

  腕の可動部分は2ヵ所です。もう1カ所腕の根元から動かせる様にした方が良いかな?とも考えたのですが、操作が面倒になり、作りも複雑になってしまうので、根元は固定しました。手に使ったバネは、自分で針金を巻いて作りました。

  先日のクレーン車も見て下さい。さらに楽しく遊ぶには、ダンプカーも必要だなぁ・・ブルドーザー、ショベルカー、フォークリフト・・等々、働く車を一杯作って遊びたい。

のほほん
10月4日
超スリムネジ(忍法ネジ隠し術)


  またトンデモ・ヘンテコ木工術です

  釘の頭を潰したり、あるいは切り落とすなどして、目立たなくする方法は大工さんが良く使います。とっても簡単なので、私も時々使っています。
  ただ、釘ではどうしても接合力が弱いので(スクリュウ釘を使うが、それでも木ネジと比べると弱い)、家具作りではほとんど使われません。

  釘に比べ、木ネジは接合力が強いのですが、釘の様に頭を潰したり、切り落としたりする事が出来ません。木ネジも頭の小さいスリムネジがありますが、目立たなくする為に超々スリムネジを作ってみました。

  いつもの様に超簡単!単にネジの頭を小さく削るだけです。動画で分かる様に、グラインダーがあれば30秒もかかりません。用いる木ネジは、全ネジ(首までネジになっている)が良いでしょう。

  普通の木ネジやコーススレッドの頭の直径は9〜8mm程、市販のスリムネジでも7〜6mmあります。これを削って3〜4mmにすると、もうネジの山部分の太さとほとんど同じです(右画像A・B)。

  頭が弱くなっているので、必ず下穴をしっかりあけてから、ネジ頭を壊さない様に注意して、真っ直ぐねじ込まなければいけません。

  ドリルビットも同様の方法でグラインダーで削り、径を細くした物(径3mm)を作りました。これなら板面を傷つけずに、超スリムネジを、板面に挿し込む事が出来ます。

  頭がほとんどないので、電動ドリルで板面の中に、直ぐもぐってしまいます。しかし板面より、少し奥にもぐった位の方が、より目立ちにくいと思います()。またその上にダボを埋めても良いでしょう()。普通のダボと比べて、ずっと小さいのでネジとは思えないですね。

  超スリムネジは単に、目立たないだけではなく、板面を潰し難い、、板割れを起こし難い、板の端(木口に近い所)でも安心して使える等、利用できる場面が色々あるのではないかと思います。私も今度、これで簡単木工作品を作ってみようと思います。皆さんも是非試してみて下さい。

  のほほん流トンデモ・ヘンテコ木工術ですが、どうぞ笑ってお許し下さ〜い。

のほほほ〜ん


超々スリムネジ、ネジ頭の直径は3mm〜3.5mmです。

 
工房はU字型のせせらぎに囲まれた真ん中にあり回りをみあげると、まるで火口の中にいるみたいです。工房の奥に、私たちが泊まらせて頂いた部屋があります。
 
川底が平らな岩盤のせせらぎが、工房の周囲を取り巻いています。水が気持ちいい。右は工房から母屋の方をを見上げた所。
 
工房に並んだ沢山のテンプレートや、ジグ。右は乾燥中のバックボウ(背持たれ)。工房は宝の山!見るべき物が一杯です。
 
左からトシさん、葛城さん、私。とっても愛嬌があって可愛いワンコ。
9月30日
鯛工房さん訪問


  何と、あの、あこがれの鯛工房さんの工房を訪問させてもらいました。

  私が葛城さんを知ったのは、アマチュア木工のバイブル?『手づくり木工事典』の連載「ファニチャーメイキング」です。昔、情報に飢えていた頃、その記事を穴があくほど読んだものです。
  何時かは行ってみたいという、その願いがかなって、9月25・26日にトシさんと一緒に、それも泊まりで伺う事が出来ました。

  工房は九重連山の一つ、涌蓋(わいた)山の裾野が広がる静かな山合にあります。着くのが遅れて、もう夕方でしたが見通しの効かない山林の道を、小さな看板に導かれて進むと、突然目の前が開け、そこに工房が登場!
  川がU字型に流れる、その真ん中に工房があり、その上に御宅やギャラリーなどの建物が立っているのです。森に囲まれ、まるでお椀の中の様な感じで、とっても素敵な別天地の様な雰囲気なのです。

  まず母屋で美味しいコーヒーを頂き、、それからギャラリーで椅子やチェストを見させてもらいました。もちろん触って撫でて、脚を持ちあげて・・(笑)。隅々まで舐めるように眺めてしまうのです。そして二人で葛城さんに質問攻め・・私は自分の木工の無知がばれてしまうのではないかと、ちょっと恐る恐るでしたが、葛城さんは穏やかな紳士で、丁寧に説明してもらいました。
  作品は鯛工房さんのHPの家具カタログを、是非ご覧になって欲しいと思いますが、本格木工のしっかりとした作りと、そのスリムで気品のあるデザインに感動させられました。。
  そして葛城さんと言えば、やっぱりウインザーチェアです。その美しいデザイン、そして座り心地の良さなど、やはり見て触るほど、その魅力が伝わって来ます。何時かは私もウインザーチェアを作りたい!と強く思いました。

  その晩は、一体何時まで飲んだでしょう?(午前1時過ぎかな?)奥様の手づくりの料理が並んで、楽しい木工談義やまた海外の体験談など、奥様も一緒にホントに美味しく楽しく話して、時間を忘れてしまいました。

  翌日は工房見学です。特にウインザーチェアの為の治具について、色々説明してもらい、とっても手をかけて作られていることを実感しました。葛城さんと松本さんは旋盤の改造や、材の乾燥ヒーターについての質問、情報交換など、話が尽きません。

  今回の訪問で、葛城さんから色々な事を教えて頂きました。その中で特に、材の乾燥・・特にホゾをしっかり乾燥せせる事が、いかに重要かという事を教えて頂きました。私は今まで乾燥させて組んだ事などありませんでしたが(汗)これからはしっかり乾燥させてから組もう、と強く思いました。

  奥様は、手づくりの色々な創作饅頭?を作られていて、これはネットでも販売されています。どれもとっても美味しく、沢山頂いてしまいました。皆さんくるみ茶屋のブログをご覧になって下さい。
  また、葛城さんのブログ(孤雲野鶴)も是非覗いて見て下さい。こちらは木工ネタだけでなく、日々の様子から、木工以外でも興味を持った事々がつづられ、面白い発見が色々ありますよ。

  時を忘れて長々と、色々話をさせてもらい、本当にとっても楽しい時間を過ごさせてもらいました。これだから工房訪問は止められませんよね。葛城さん、それに奥様、本当に有難うございました。
  松本さんのブログでも訪問記をアップしているので、こちらも是非見てください。

のほほん
9月16日
ゴルフ盤おもちゃ小椅子


  久しぶりにヘンテコおもちゃイスを作りました。

  そうなんです。このために先日の波面削り治具を作ったのです。小さい盤面で木球を指で弾いて遊ぶには、平面では転がり過ぎてしまいす。色々な形状の盤面を試して見たのですが、この波面が一番いい具合みたいです。

  座面の高さが20cmの子ども椅子です。脚はちゃんと丸ホゾにクサビを入れて、久しぶりに真面目に作りました。
  丸ホゾの製作はプラグカッターを使った逆ドリル法で、また脚は10度傾けていますが、座面の穴あけは傾斜ドリルスタンドを用いました。

  小さな座面なのでコースをどう作るか、色々迷いました。まん中に大きなバンカーを作り、他にもホールの近くに小さいバンカーを作りました。むしろ球をバンカーに入れながらの方が、座面から落っこちにくく、打ちやすい様です。

  木球(これはトリマー法で作りました)からホールフラグまで、小物も全部作って並べると、このまま飾っても可愛いです。

  座面が凸凹ですが、長い時間座るのでなければ、この程度の凹凸はそんなに気になりません。

  昔、野球盤を真似てゴルフ盤なるものも作られた様ですが、売れたのでしょうか?もっと大きな面で、コースも更に工夫を凝らして作ったら、さらに面白いかもしれませんね。

のほほん

ゴルフ盤おもちゃ椅子


2009年8月の日記へ

ホームへ
inserted by FC2 system