イイカゲン木工日誌 2010年6月

梅雨入り前にしっかり木工遊びに励みましょう

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6月19日
別府Yさん工房訪問


  大変報告が遅くなりましたが、6月5・6日にトシさんと一緒に、別府・大分と木工旅行に行ってきました。目的の第一は、別府で趣味の木工を楽しんでいる、Yさんの工房を訪問させてもらう為です。

  Yさんは定年退職後、大分の大学で数年間教鞭を取り、現在はそれも辞め、趣味三昧に生きる自由人です。木工だけでなく音楽や絵画など、沢山の趣味を楽しんでいるのです。

  Yさんのお宅は、別府湾を望む、とっても眺めのいい斜面に建っています。この日は天気も良く、湾の海岸線が遠くまで見通すことが出来ました。

  もちろん初対面なのですが、直ぐ気兼ねなく色々話が弾んでしまいます。今までのお仕事や経験、家作りへのこだわり等を伺いました。仕事での海外生活で得た知識も豊富で、自宅は全て海外から輸入した材と建具で作ってあり、何処もゆったり、広々として実に居心地が良いのです。
  2階には自分で作ったアンプやスピーカー、そしてパソコンに囲まれた部屋があり、ここでも色々な話を伺い、また自作スピーカーの音色も楽しませてもらいました。自作スピーカーいいですねぇ・・私も作らねば!

  そしていよいよ工房です。工房は地下にあるのです。地下工房は気温の変化も少なく、またご近所への騒音もほとんど心配ないのだそうです。なるほど!

  工房には今まで見た事がない、珍しい工具や、自作の治具が一杯なのです。海外から持参したバンドソーやテーブルソー、ラジアルアームソーなど年季が入った機械などで、興味津々です。私もトシさんも次々質問の連発です。Yさんは一つ一つ機械や治具を動かしながら、丁寧に説明をして頂ました。

  そして、サイクロンが凄いのです。今でこそサイクロンを自作する人も多くなり、情報もネットで手軽に入手できる様になりました。しかしYさんは、日本でサイクロンが流行する以前に、ご自分で情報を収集し、自作されたものなのです。どんなに大変だったでしょう。しかし、設計・試作・製作など試行錯誤しながら、手作りとしては本当に素晴らしいサイクロンを作られているのです。って、実は私には良く理解で出来ない・・汗・・電気・機械に強いトシさんと二人で、ア〜だ、コ〜だ、ナルホド、と盛り上がっているのです。笑

  工具・機械など、どれもご自分で工夫・改良を加え、使い易くしていて、もう趣味の木工人が最も共感することばかりです。工房ではおもちゃを見る子どもと一緒で、時間が過ぎるのを忘れてしまいます。

  そして夜は別府の街中に出て、飲みながら(実はYさんは一滴も飲まれないのに、お付き合いして頂きました。感謝!)また、楽しい木交流をさせてもらいました。木工の話だけでなく、航空機(これがご専門なのです)の話や大学で教える事のご苦労など、私たちの知らない世界の話や、海外の豊富な体験など、もう話は尽きず、本当に楽しい時間を過ごす事が出来ました。

  工房訪問の楽しさは、木交流だけでなく、もっと大きな収穫が一杯あると思います。Yさんのお宅、工房に伺うことが出来、また一杯刺激を受けてしまいました。Yさん本当に有難うございました。私たちの工房へもどうぞ遊びに来て下さい。

  木工旅行は他にも由布院の美術館巡りや、翌日は大分でのミニ削ろう会を覗きました。これには木の工房「花みずき」の手柴さんも参加されていて、久しぶりにお話を伺うことが出来ました。透き通る削り華が凄〜〜い!私はもう、ため息をついて見守るだけでしたが、トシさんは削りの手ほどきを受けたり、削り華を引くのを手伝ったりしていました。
  さらに大分もの展で家具やおもちゃの展示会にも行きました。これら内容はトシさんのブログの工房訪問記_大分編_その1工房訪問記_大分編_その2にありますので是非ご覧になって下さい。

  木工旅行、そして工房訪問は、とっても楽しくて、もう病みつきです(笑)皆さんよろしくお願いいたしま〜す

のほほん
 
自作スピーカー・アンプの試聴させてもらいました。右は工房のアンプやスピーカーで、ここでも音楽を楽しみながらの木工なのです。
 
サイクロンの前で熱中して話し込む二人(笑)なんと、試作で作った超々ミニサイクロンにビックリ!
 
見た事が無いバンドソーやラジアルアームソーに興味津々
 
ジグや工房の収納など、色々な工夫が一杯なのです。
 
手柴さんが慎重に鉋を引き、トシさんが緊張して削り華を引っ張ります。この透き通った美しい削り華!

糸鋸刃の下部の固定具です。固定部分をBの図の様に改造すると、最後の締め付けで刃が傾く事がありません。

刃の垂直調整は非常に重要です。
6月5日
糸鋸刃垂直調整の為の小改造


  皆さん糸鋸の調整をちゃんとやっていますか?どんな高級糸鋸機でも、正しく調整しないとその能力を発揮することはできません。特に刃の垂直調整が重要なのです。しかし、この垂直調整が案外難しいのです。そこで、その為の小改良をしました。

  私の持っている電動糸鋸はユタカのYSC-500Fです。それぞれの機械で、調整の仕方は異なると思いますが、参考にして下さい。

  主な改良点は2つですが、これも動画を見ると分かると思います。一つは刃の垂直調整が落ち着いて両手で出来る為の改造です。
  刃を取り付ける作業の時は、上部のバネを押し込みながら、垂直を確かめながら、固定ネジを締めなければなりません。三つもの作業をするのはとても出来ません。そこでバネの押さえ込みを、バンドで固定出来る様にしました。これで両手が自由になるので、横から刃の直角を調整しながら、固定ネジを締める事ができます。

  2つ目の改造は、テーブル下部の刃固定ネジを締め上げる時に、折角調整した刃が傾いてしまう事を防ぐ為の改造です。
  左の写真で分かるように、2つのボルトの間にある円柱の金具で刃を挟んでいるのを()、更にもう一つ金具を挿入し、また締める六角穴ボルトの先端をグラインダーで尖らせました。(赤矢印の部分)こうすると最後の締めつけでも回転が刃に伝わらず、垂直が保たれるのです。

  これらの小改造で、楽にテーブルにどの方向から見ても垂直に、刃を取り付ける事が出来る様になりました。

  刃の調整に関してはもう一つ、刃が捩れない様に取り付ける事も非常に重要です。これは何度も試し切りをして真っ直ぐ切る事が出来る様に上下の固定ネジの向きを調整して下さい。

  これらの調整をしっかりすると、思い通りにとっても快適に切り進む事が出来る様になりますよ。皆さんこれを参考にして、ご自分の糸鋸刃の調整をしてみて下さい。

のほほん

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