近隣木工房訪問 

年明け早々早速行橋の近くにある工房訪問で遊んじゃいました。

  さて2009年1月5日、年明け最初の木工遊びは私の住む行橋市近隣の木工房訪問です。世の中は仕事始めの日で、当然プロの木工家の方々ものんびりしては居られないと思うのですが、失礼を省みず・・・同じ行橋市に住むトシさんと、隣町の苅田町の会長(ニックネーム)さんの3人で、ワイワイガヤガヤ車の中でも木工談義をしながら3つの木工房にお邪魔しました。

  午前中に1カ所、小物作りのI様の木工房を訪問したのですが、ここは残念ながらHPでの紹介を遠慮されているので報告できません。(あ〜残念!)玩具つくりに興味がある私には宝の山に見えました。企業秘密もあったでしょうが、色々な質問に丁寧に答えて頂き本当に有難うございました。


左からトシさん、会長さん、仲村さん、私です。
 
仲村さんが集めた枝が沢山並べられています。ここでも製作中のテーブルをじっくり見てなでて(笑)
 
ヒノキの半割りをはぎ合わせた巨大天板・・何とはぎ面が曲面!製作中の椅子の座面はステキなデザインというだけでなく・・
峠の工房

  そして午後はまず我が家から約30分と直ぐ近くにある峠の工房に伺いました。工房の主の仲村さんと奥様、それにスモーキー(黒犬・・愛嬌タップリでとっても可愛い看板犬です)に、にこやかに迎えて頂きました。

  工房の直ぐ横にカフェギャラリー木花山荘を併設していて、美味しいコーヒーを頂き、ゆっくり作品をなでながら、話を聞かせてもらいました。HPにはログファニチャーと記されているので、荒削りの豪快な作品かと思っていたのですが・・・まあビックリ!!作品は確かにゆったり大きく存在感タップリなのですが、荒削りとは正反対で細部まで磨き上げ、しっかり作り込んだ作品なのです。実際の作品に触れてこれほど印象が大きく異なった事は始めててです。もうビックリ!唖然!ため息!です。

  そのビックリを紹介すると・・・
  まずギャラリーの中央にドデンと鎮座しているのは、何と直径240cmの超巨大丸テーブルで圧倒的な存在感です!いくつかに分解出来る構造とは言え、これを一人で作ったのですから、もう絶句!
  椅子やテーブルはヒノキの丸太と、仲村さん自身が付近で集めた自然木を用いており、確かにログファニチャーになるのかもしれませんが、一般に想像する例えばチェーンソー等で作る荒削りな物とは全く違います。その手のかけ方は半端ではありません。曲がりくねった自然木にホゾ穴をしっかりピッタリ掘って、ホゾを合わせクサビを打ち込む・・・これは一つ一つ気の遠くなるような手作業、現物合わせで作らなければなりません。もちろん枝は一つ一つ形状が違うのですから、一つの失敗も許されません。私は作品を撫でながら、ただうなる事しか出来ませんでした。どうりで、その作品は大きく存在感タップリにも関わらず、決して重苦しくならず、優しさと気品を漂わせています。座り心地も最高です。ふ〜ため息が出ちゃいます。

  さらに工房でのビックリは、巨大な天板の製作です。ヒノキの半割りを雇いザネではぎ合わせているのですが、そのはぎ合わせ面がなんと曲線!なのです。製作中の物をしっかり見させてもらいましたが隙間が全くない!これを鉋で削りながら合わせたというのです。唖然!

  個性的で面白い座面の椅子が製作中であったのですが、これは座面の真ん中で指交状に3つの材が組み合わせてあり、強度とデザインを両立させています。しかし手にとって見ても一体どのように組み合わせたのか??説明を何度も受けてやっと理解する有様です。(トシさんでさえ分からん、と言うのですから!)オマケに表から見れば、そんな手をかけた組手などちっとも見えません・・まるでイモ接ぎの様にさえ見えるのです。またまた降参!
  工房で話を詳しく話を聞き、作品を触らせてもらうほど・・もう完全に圧倒されてしまいました。しかし、仲村さんは本当に紳士で、優しく穏やかに話されるのです。私達の矢継ぎ早の質問にも一つ一つ丁寧に答えて頂き、その穏やかなお人柄に頭が下がりました。

  訪問の終わりごろにやっとミルク(白犬・・とっても恥ずかしがり屋のワンコですがこれまた可愛い)が現れて、仲村さん奥様ともども私達を見送って頂きました。本当に有難うございました。

ファニチャークラス

  そして工房訪問の最後はファニチャークラスです。多分我が家から最も近いプロ工房だと思います。ここは十数年前に廃校になった小学校を借り受けて工房にしていて、古い小さな木造校舎はとっても懐かしい雰囲気なのです。

  作業着姿で現れた岩崎さんは、とっても丁寧な物言いで、優しく私達を迎えて頂きました。早速工房に案内して頂き、機材、工房を拝見しながら色々な話を伺いました。
  やはり個人の小さな工房は色々な苦労があるのだと思います。これは個人の工房なら何処も同じでしょうね。木工房は機材、材料、労力、何より大変な販売等など・・・木工は割りに合わない、儲けの少ない仕事なのかもしれません。工房を立ち上げ、維持する苦労話も伺う事が出来ました。しかし、そのご苦労以上に、作品や木工技術を語る岩崎さんの木工への愛情や熱意を感じさせられました。趣味のお気楽木工である私達の失礼な質問にも丁寧に答えて頂き本当に恐縮です。

  工房は教室2つ分の広さで半分に大型機械が据え付けてあり、もう半分が作業台や小型の工具が置いてあり、1人で使うのには丁度いい大きさだと感じました。教室のなごりの黒板には注文や製作についてのメモや書かれていて、今も十分役立っているのが、微笑ましいのです(笑)しかし、この工房の最大の長所は周りが森に囲まれていて、どんな大きな音をだしても気にならず、窓やドアを開け放して作業が出来る事でしょう。

  作品は以前からHPで見させてもらっていて、とってもセンスあるデザインで一度触らせてもらいたいと思っていたのです。そしてやっと念願かなってじっくり見て触れる事が出来ました。木工人のあさましさで(汗)表面をなでるだけではなく、組み手部分を裏から下からしつこく眺め回してしまうのです(笑)。ブラックウオルナットを主体にした作品は、どれも手触り、色艶そしてしっかりとした組み手など、HPで見る以上の美しさです!教室の一つがギャラリーになっているのですが、無造作に置かれた椅子やチェスト、長椅子など、どれもセンスがよく洒落ています。洗練されたデザインですが、古い校舎の中でしっくり落ち着いている姿はとっても印象的です。

  また岩崎さん自身が自家用に使われている、テーブルも触らせてもらいました。シンプルなスタイルなのですが、脚と幕板が留めでつながっているなど、とっても洒落ているのです。そしてその組手がどうなっているのか?岩崎さんに説明してもらいました。これはHPで見ると良く分かります。皆さんココをご覧になって下さい。
  時間を経たブラックウオルナットは少し紅色が加わりとっても美しい色艶で、一層味わいが深くなるのです。但し塗りはちょっと注意が必要でその技法を教えてもらいました。私もブラックウオルナットが大好きなのですが、小物しか作った事がありません。岩崎さんに教えて頂いた塗りの技法などを用いて、より大きな作品を作ってみたいなぁ・・と強く刺激を受けました。忙しい時にもかかわらず丁寧に話して頂き本当に有難うございました。


廃校になった小学校が工房なのです。
 
教室2つ分の工房は半分に大型機械を設置、もう半分に作業台や小型の工具を置いた作業スペースです。黒板は今でも現役。
 
教室の一つはギャラリーになっていて、とってもいい雰囲気です。真ん中が岩崎さんです。


あ〜楽しかった!

  どの工房も本当に暖かく迎えて頂きとっても感謝しています。「木工する人は皆紳士ばかりだねぇ・・」と、これは会長さんのつぶやきです。これだから工房訪問、そして楽しい木交流は止められないですね。これからも色々な木工房に遊びに行きた〜い!皆さんよろしくお願いいたしま〜す。

  峠の工房とファニチャークラスのHPにリンクさせてもらいました。皆さん、どうぞ左のバナーをクリックして遊びに行って下さい。またトシさんのブログにも訪問記がアップされているので、こちらも是非ご覧になって下さい。

  のほほん

鯛工房さん訪問

ホームへ
inserted by FC2 system