イイカゲン木工日誌 2009年1月

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

今年もトンデモ・ヘンテコ・お笑い木工に励みま〜す\(^〇^)/


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小さい方から径12mm、20mm、68mm、そして一番大きな今回作った径115mmの木球です。これもほぼ真球に仕上がっています。
ブレード(刃)が長く出ています。手指の位置を常に意識し、安全に十分注意して作らねばなりません!
1月26日
バンドソーで木球つくり


  しつこく木玉つくり・・・今度はバンドソーで、より大きい木球(直径は11.5cm)です。

  これも動画を見てもらえば良く分かると思います。これは先日のサンダーで作る方法と基本的に同じ方法で、丸穴をあけた板に押さえつけながら、とび出した所を少しでつ削り込んでいくと次第に球体になります。一度に深く削らず、全体の形状をよく見ながら削っていきます。

  バンドソーで荒削りした後は、十字の切込みを入れたスポンジサンダーで磨きます。バンドソーでの荒削り面は、かなり荒れているので磨きには少し手間がかかりました。
  製作時間は最初の立方体から最後の手磨きまで2〜3時間程です。しかし色々考えながらの製作なので、何個か作って要領が分かれば、時間はかなり短縮(半分ぐらいに)できると思います。動画では軟材の杉を使っていますが、硬い材の場合はブレードに材を引きずられない様にしっかり材を押さえるなど、安全に十分注意して下さい。

  しつこく他の木球作りの方法を考えています。飽きませんねぇ(笑)また覗いて下さ〜い!

のほほん
1月23日
サンダーで木球つくり


  旋盤を使わない木球作りが続きます。今度はサンダーを使って、やや大きい(直径6.8cm)木球を作りました。

  これも動画を見てもらえば分かりますね。これぐらいの大きさ(一辺7cmの立方体から)ならベルトサンダーを使って角を落とし、荒削りするのが一番手軽だと思います。

  荒削りの後は丸穴を空けた板をディスクサンダーのテーブルに固定し、そこに木球を押し付けながら、とび出した所を少しずつ削ります。こうして削り込んでいくと次第に球形に整ってきます。一度に深く削ってはいけません!またディスクサンダーに手指が触れない様に注意しなければなりません。球を操る手には革手袋が必須です。

  ある程度削ったら、次は十字型に切り込んだドリルスポンジサンダー(80番)に押し付けながら、削り跡が消えるまで磨きます。これで一応木球作りは完成です。
  動画では、この後同じ方法で180番、400番と磨き、さらに手磨きで1000番まで磨きました。最後はいつもの様に(汗)靴磨き用ワックスで艶出ししています。

  今までの方法と比べると少し手がかかりますが、ほぼ真球といっていい状態に仕上がりました。2つとも直径6.8cm程の大きさですが、直径の誤差はどの部分を測っても0.5mm以内に収まっています。最初考えていたより、ずっと精度良く作ることが出来ました。製作も決して難しくありません。

  磨き上げた木球は美しいですねぇ!!更に大きな木球も作ってみたいと思っています。お付き合いよろしくお願いしま〜す。

のほほん

材はタモとイタウバです。ほぼ真球に仕上がりました。
ディスクサンダーの研磨力は大きいので、手指が当らない様に注意が必要です。

直径約2cmのサッチーネの木球です。
相当やかましいのが難点です
1月18日
木玉自動製作機?(笑)


  TVでサトイモの皮剥きを見たのです!!
  水車の中にサトイモを入れ、水の流れの中で回すのです。イモがゴロゴロ回って、しばらくすると皮が綺麗にむけるのです・・ビビッと来ましたねぇ!(笑)早速色々試行錯誤して、この方法にたどりつきました。ちょっと時間がかかりますが、これなら簡単でしょ。

  立方体からでも出来ると思いますが、相当時間がかかってしまいます。ベルトサンダーなどで角を大まかに落としておくとグッと時間が短縮できます。動画では小さな空き缶を使って3個を作っていますが、大きな容器で小さい球なら一度に100個でも出来ると思います。

  ただこの方法はかなり騒音が大きく、それがまた長く続くのですから、かなりウットウシイです。ご近所迷惑、いや家族迷惑にご注意を!
  また自動と言っても、電動ドリルの定格時間は30分なのでドリルを休めながら使う事、振動でクランプやチャックが緩んでいないかも時々確認する必要があります。空き缶もしっかり保持して下さい。

  更にもう一つ大きな問題が・・・当然ですが材は方向によって硬さが異なります。特に木目方向(繊維方向)に硬いので、どんどん削っていくと、楕円体になってしまいます。削り過ぎるのもダメです。また最初から木目方向をほんの少し短く切り出した方が良いですが(特に針葉樹)、これは材によって程度が異なるので、かなり経験が必要になります。(硬い唐木などはそう歪まないが、軟らかい針葉樹などはかなり歪む)
  で・結局、この方法で真球を作るのは難しく、擬似球と言うことでお許し下さい。でも、これで沢山の小さな木球を作ってアクセサリーを作っても楽しいでしょうね。少々歪んでいてもそれがまた面白いかも

  ヘンテコ木玉遊びはまだ続きますよ〜

のほほん
1月14日
トリマー(ルーター)で木球作り


  皆さん木球を作った事はありますか?おもちゃ作りでは木球をよく使いますよね。でも自分で作るのは木工旋盤がないと難しいのです。そこで何とか旋盤を使わず、より簡単に木の球を作る方法がないか・・・実は年末から考えていたです。そして幾つか簡単な方法を思いついたので、試作しながら順次アップする予定です。

  まず最初は、トリマーで作る方法です。これもyoutubeで見て下さい。

  製作は簡単です。丸棒の先端を丸面ビット(ボーズ面)で削って半球を作ります。そしてその部分をテーブルソーやスライド丸ノコで切り落とします。同じものをもう一つ作って2つの半球を接着剤で貼り合わせれば、ハイ出来上がり
  用いる丸棒は木球の直径より少し大きい径の棒を使うと、切り落とすラインが分かり易いです。また丸棒作りはこちらのページを参考にして、どうぞ自分で作って下さい。

  この方法は簡単なのですが、貼り合わせた継ぎ目が木球の真ん中に見えてしまうのが、ちょっと気になります。また球の大きさは、用いるビットの径のものしか作る事が出来ないので、任意の径や大きい径の木球はまた別の方法を考えないといけませんね。

  そこで次は別のトンデモ方法(やはり旋盤は使いません)で作ります。今年もやっぱりヘンテコ木工術遊びです(笑)

のほほん

継ぎ目が真ん中にあるのがちょっと残念ですが、超簡単方法ですよ。
1月11日
近隣木工房訪問


  遅ればせながらみなさん 明けましておめでとうございます。
  昨年末から厳しい不況のニュースなど不安な世情で、これから私達の生活はどうなるのか・・・先が見えずちょっと不安な気持ちになってしまいますね。でも皆さん、こんな時こそストレスを溜め込まないようにしましょう。木工遊びに熱中する時間も大切なのだと思います。またDIYの重要性が見直される時代かもしれません。ともあれ今年もヘンテコのほほん木工房をよろしくお願いいたします。

  さて1月5日、年明け最初の木工遊びは私の住む行橋市近隣の木工房訪問です。世の中は仕事始めの日で、当然プロの木工家の方々ものんびりしては居られないと思うのですが、失礼を省みず・・・同じ行橋市に住むトシさんと、隣町の苅田町の会長(ニックネーム)さんの3人で、ワイワイガヤガヤ車の中でも木工談義をしながら3つの木工房にお邪魔しました。

  午前中に1カ所、小物作りのI様の木工房を訪問したのですが、ここは残念ながらHPでの紹介を遠慮されているので報告できません。(あ〜残念!)玩具つくりに興味がある私には宝の山に見えました。企業秘密もあったでしょうが、色々な質問に丁寧に答えて頂き本当に有難うございました。


左からトシさん、会長さん、仲村さん、私です。
 
仲村さんが集めた枝が沢山並べられています。ここでも製作中のテーブルをじっくり見てなでて(笑)
 
ヒノキの半割りをはぎ合わせた巨大天板・・何とはぎ面が曲面!製作中の椅子の座面はステキなデザインというだけでなく・・
峠の工房

  そして午後はまず我が家から約30分と直ぐ近くにある峠の工房に伺いました。工房の主の仲村さんと奥様、それにスモーキー(黒犬・・愛嬌タップリでとっても可愛い看板犬です)に、にこやかに迎えて頂きました。

  工房の直ぐ横にカフェギャラリー木花山荘を併設していて、美味しいコーヒーを頂き、ゆっくり作品をなでながら、話を聞かせてもらいました。HPにはログファニチャーと記されているので、荒削りの豪快な作品かと思っていたのですが・・・まあビックリ!!作品は確かにゆったり大きく存在感タップリなのですが、荒削りとは正反対で細部まで磨き上げ、しっかり作り込んだ作品なのです。実際の作品に触れてこれほど印象が大きく異なった事は始めててです。もうビックリ!唖然!ため息!です。

  そのビックリを紹介すると・・・
  まずギャラリーの中央にドデンと鎮座しているのは、何と直径240cmの超巨大丸テーブルで圧倒的な存在感です!いくつかに分解出来る構造とは言え、これを一人で作ったのですから、もう絶句!
  椅子やテーブルはヒノキの丸太と、仲村さん自身が付近で集めた自然木を用いており、確かにログファニチャーになるのかもしれませんが、一般に想像する例えばチェーンソー等で作る荒削りな物とは全く違います。その手のかけ方は半端ではありません。曲がりくねった自然木にホゾ穴をしっかりピッタリ掘って、ホゾを合わせクサビを打ち込む・・・これは一つ一つ気の遠くなるような手作業、現物合わせで作らなければなりません。もちろん枝は一つ一つ形状が違うのですから、一つの失敗も許されません。私は作品を撫でながら、ただうなる事しか出来ませんでした。どうりで、その作品は大きく存在感タップリにも関わらず、決して重苦しくならず、優しさと気品を漂わせています。座り心地も最高です。ふ〜ため息が出ちゃいます。

  さらに工房でのビックリは、巨大な天板の製作です。ヒノキの半割りを雇いザネではぎ合わせているのですが、そのはぎ合わせ面がなんと曲線!なのです。製作中の物をしっかり見させてもらいましたが隙間が全くない!これを鉋で削りながら合わせたというのです。唖然!

  個性的で面白い座面の椅子が製作中であったのですが、これは座面の真ん中で指交状に3つの材が組み合わせてあり、強度とデザインを両立させています。しかし手にとって見ても一体どのように組み合わせたのか??説明を何度も受けてやっと理解する有様です。(トシさんでさえ分からん、と言うのですから!)オマケに表から見れば、そんな手をかけた組手などちっとも見えません・・まるでイモ接ぎの様にさえ見えるのです。またまた降参!
  工房で話を詳しく話を聞き、作品を触らせてもらうほど・・もう完全に圧倒されてしまいました。しかし、仲村さんは本当に紳士で、優しく穏やかに話されるのです。私達の矢継ぎ早の質問にも一つ一つ丁寧に答えて頂き、その穏やかなお人柄に頭が下がりました。

  訪問の終わりごろにやっとミルク(白犬・・とっても恥ずかしがり屋のワンコですがこれまた可愛い)が現れて、仲村さん奥様ともども私達を見送って頂きました。本当に有難うございました。

ファニチャークラス

  そして工房訪問の最後はファニチャークラスです。多分我が家から最も近いプロ工房だと思います。ここは十数年前に廃校になった小学校を借り受けて工房にしていて、古い小さな木造校舎はとっても懐かしい雰囲気なのです。

  作業着姿で現れた岩崎さんは、とっても丁寧な物言いで、優しく私達を迎えて頂きました。早速工房に案内して頂き、機材、工房を拝見しながら色々な話を伺いました。
  やはり個人の小さな工房は色々な苦労があるのだと思います。これは個人の工房なら何処も同じでしょうね。木工房は機材、材料、労力、何より大変な販売等など・・・木工は割りに合わない、儲けの少ない仕事なのかもしれません。工房を立ち上げ、維持する苦労話も伺う事が出来ました。しかし、そのご苦労以上に、作品や木工技術を語る岩崎さんの木工への愛情や熱意を感じさせられました。趣味のお気楽木工である私達の失礼な質問にも丁寧に答えて頂き本当に恐縮です。

  工房は教室2つ分の広さで半分に大型機械が据え付けてあり、もう半分が作業台や小型の工具が置いてあり、1人で使うのには丁度いい大きさだと感じました。教室のなごりの黒板には注文や製作についてのメモや書かれていて、今も十分役立っているのが、微笑ましいのです(笑)しかし、この工房の最大の長所は周りが森に囲まれていて、どんな大きな音をだしても気にならず、窓やドアを開け放して作業が出来る事でしょう。

  作品は以前からHPで見させてもらっていて、とってもセンスあるデザインで一度触らせてもらいたいと思っていたのです。そしてやっと念願かなってじっくり見て触れる事が出来ました。木工人のあさましさで(汗)表面をなでるだけではなく、組み手部分を裏から下からしつこく眺め回してしまうのです(笑)。ブラックウオルナットを主体にした作品は、どれも手触り、色艶そしてしっかりとした組み手など、HPで見る以上の美しさです!教室の一つがギャラリーになっているのですが、無造作に置かれた椅子やチェスト、長椅子など、どれもセンスがよく洒落ています。洗練されたデザインですが、古い校舎の中でしっくり落ち着いている姿はとっても印象的です。

  また岩崎さん自身が自家用に使われている、テーブルも触らせてもらいました。シンプルなスタイルなのですが、脚と幕板が留めでつながっているなど、とっても洒落ているのです。そしてその組手がどうなっているのか?岩崎さんに説明してもらいました。これはHPで見ると良く分かります。皆さんココをご覧になって下さい。
  時間を経たブラックウオルナットは少し紅色が加わりとっても美しい色艶で、一層味わいが深くなるのです。但し塗りはちょっと注意が必要でその技法を教えてもらいました。私もブラックウオルナットが大好きなのですが、小物しか作った事がありません。岩崎さんに教えて頂いた塗りの技法などを用いて、より大きな作品を作ってみたいなぁ・・と強く刺激を受けました。忙しい時にもかかわらず丁寧に話して頂き本当に有難うございました。


廃校になった小学校が工房なのです。
 
教室2つ分の工房は半分に大型機械を設置、もう半分に作業台や小型の工具を置いた作業スペースです。黒板は今でも現役。
 
教室の一つはギャラリーになっていて、とってもいい雰囲気です。真ん中が岩崎さんです。


あ〜楽しかった!

  どの工房も本当に暖かく迎えて頂きとっても感謝しています。「木工する人は皆紳士ばかりだねぇ・・」と、これは会長さんのつぶやきです。これだから工房訪問、そして楽しい木交流は止められないですね。これからも色々な木工房に遊びに行きた〜い!皆さんよろしくお願いいたしま〜す。

  峠の工房とファニチャークラスのHPにリンクさせてもらいました。皆さん、どうぞ左のバナーをクリックして遊びに行って下さい。またトシさんのブログにも訪問記がアップされているので、こちらも是非ご覧になって下さい。

  のほほん

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